庭の手入れは年何回が正解?剪定頻度の秘密
庭の手入れ≒剪定の一般的な適正頻度は?
庭の手入れ(≒樹木剪定)は、どれくらいの頻度で行うのが良いか疑問に感じたことはありませんか?
例えば、庭や樹木の手入れに初めて直面する方や、初めてではないけれど前々からこの頻度で合ってる?
とお考えの方がいるのではないでしょうか?
それに対する結論から言うと、年に1回か2回行えば問題はないでしょう、というのが私の考えです。
ただし、これは大雑把な物言いです。次にあげる条件を参考にしていただくとご自分に合った頻度に関するヒントが得られると思います。
1.植物の種類
2.健康
3.目的
4.立地
5.予算
1.植物の種類
植物の種類と言っても、植物種は膨大にあるため、ここでは樹木について考えます。
樹木は種類によって、成長速度が異なります。
例えば、街でよく見かけるシマトネリコやケヤキのような樹木のように、非常に成長速度が速く、枝葉がどんどん増えて全体が大きくなっていく樹木もあれば、ボタンやアジサイのように比較的成長速度が遅く、大きくなっても知れている樹木もあります。
成長の早い樹木を何年も放置してしまえば、手に負えない状況になりやすいでしょうし、対して、成長速度の遅いものであれば、しばらく放置してもそれほど問題にならない樹木もありますので、樹種によってメンテナンスの頻度を考える必要があります。
樹種で言えば、針葉樹のメンテナンス頻度に関しては注意が必要です。まず、針葉樹の代表的なものとしては、山林ではスギ、ヒノキなど、庭木ではマキ、カイヅカイブキ、コノテガシワ、マツ類などがあります。(コニファーと呼ばれるものは針葉樹です)
これらの樹木は、大きくなりすぎた場合に、バッサリと枝を短くすると枯れてしまうことがあります。竹(竹は分類上樹木ではない)などの例外はありますが、針葉樹以外の樹木は、葉のない幹だけの棒のような状態になっても、活力さえあれば新しい芽を出して、枝葉を再生させることができます。でも、針葉樹の場合、基本的には、葉の付いていない場所で切った場合、そこから新たな芽を出すことができません。葉っぱというのは、枝の先に先に付いていくもので、枝元の葉は伸長に伴って早期に落ちて行くものです。木が大きくなるにつれて、葉の生えている位置は概して外に外に広がっていきます。
つまり、針葉樹の場合、一度大きくしてしまうと小さく縮めることが難しく、大きくしたくなかったら、最低でも年に1回は剪定しないと、取り返しがつかない状態になってしまいますのでご注意。
2.健康
健康というのは、ここでは樹木の健康のことです。植物も当然生き物であり、健康状態が一定ではないということです。様々な原因であまり元気がないと感じる時は、頻度や剪定の量を落とすという判断も必要です。前提として、枝葉を削がれるということは、樹木にとって辛いことだという認識を持ち、元気がない時に追い打ちをかけないようにすることも大切です。
また、剪定というのは樹木の体を傷つける行為ですので、その傷口はできれば小さい方が負担が少ないです。直径1㎝の枝を切る場合と、直径20㎝の枝を切る場合ではかかる負担が違います。まず大きな枝の先にはたくさんの葉が付いていると考えると、それらをいっぺんに失うというのは、人で例えれば、一瞬にして収入減≒栄養源を失うのと同じです。そして大きな傷口からは、樹木を慢性的な病気に罹患させる病である腐朽菌の進入を許す元となります。
ですから、樹木の健康のためには、大きく切る機会を減らす必要があります。では、大きく切ることを避けるにはどうしたらよいか。それはできるだけ剪定の間隔をあけ過ぎないことです。数年に一度の剪定となると、特に成長速度が速い樹木にとっては大きな負担となります。
3.目的
植物、特に樹木を植える場合に考えることは大きく分けて二つです。一つは美観を良くしたいと考えることで、もう一つは果実(収穫)や花を楽しみたいと考えることです。
美観を良くしたいと考える場合、主観的に見ためが悪くなった時がメンテナンスのタイミングになります。ちょっと見苦しいなぁと感じたら剪定するということですが、そうは言っても、自分でやる場合は、時間と体力とやる気がないとこまめにはできませんので、年に1~2回というのが一般的な頻度になるのではないでしょうか。
上記は人の都合に合わせた頻度になりますが、果実や花をたくさんつけさせたい場合は、それぞれの植物にあった頻度で行う必要があり、種類によって様々ですが、年に何回か剪定をする必要が出てくることが多いです。また、剪定の時期もそれぞれのタイミングに合わせる必要があります。
4.立地
隣地や道路との境界に樹木を植えている場合、家の間近に植えている場合は、境界から著しくはみ出したり、建物に枝が擦れたりした段階で剪定する必要があります。
これらのケースでも、年に1~2回、可能なら2回は剪定を考えた方が良いでしょう。
5.予算
剪定作業を業者に依頼するケースでは、予算がメンテナンス頻度を左右する可能性が高いです。
それでは、みなさんどのくらいの頻度で業者に依頼しているのかということが気になるかもしれません。これもやはり年に1~2回ご依頼していただくケースが多いです。ある程度きちんと管理されているお宅の場合は、それぐらいの頻度になるかと思います。
予算が確保でき、近隣との関係や美観を気にかけていらっしゃる場合は、そのような頻度になることが一般的ですが、予算が確保できない場合や樹木が伸び放題になっていることが気にならない場合、メンテナンスのタイミングはいよいよどうしようもなくなった段階になります。それは2~3年毎であったり、5年毎であったり、様々です。
まとめ
このように剪定頻度を決める5つの条件について説明してみると、年に1回もしくは2回ほどのメンテナンスというのは、何となく妥当な回数とご理解いただけるのではないかと思います。
業者に依頼する場合は、予算による制限があると思いますが、自分でできる場合は、上記を参考にしてみてください。ただ、やり過ぎてしまって、樹木を弱らせないようにだけご注意ください。
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